世界が僕を呼んでいる。

音楽、ファッション、web、ガジェット、本などについて書く気はあります

ボクと電車は高槻なオッさん達が女子大生風で。

f:id:sallykun1986:20161015132913p:plain

昨日の話。

 

大抵は車移動なのだけど、昨日はたまたま電車で移動していた。

滋賀から神戸の三宮まで1時間半ほどの移動。

 

三宮で仕事を済ませ、帰るために電車に乗った。

その帰路での話。

 

 

 

車内は混雑していた。

超満員ではないけれど、自由に身動きはとれない程度に。

 

ボクは車内の流れに身を任せ、この辺りに立っていた。

f:id:sallykun1986:20161015133040p:plain

 

横には女子大生風、もしくはカメラマンのアシスタントとかしてそうな少し茶色い髪色でボブの女の子が立っていた。

足元には小さな体に似合わぬ大きな荷物が置いてある。

 

車内は大学生らしい若い乗車客が多かった。

みなスペースをゆずりながら各々音楽を聴いたり、スマホをいじって各々の世界に入り浸る。

 

電車が停車して人の乗り降りが始まる。

小さな駅では降りる人より乗ってくる人の方が多く車内はより混雑していく。

 

みな人が乗ってこれるように位置をズレたり荷物が邪魔にならないように気遣ったり車内にはこの時だけちょっとした緊張感が漂う。

 

扉が閉まり、電車が走り出すと緊張感は姿を消し

また各々の世界へと戻る。

 

ボクは後方に違和感を感じたと共に、体がグイッと押される。

40歳ほどに見えるスーツを着たサラリーマンが乗客を押しのけながらグイグイと座席の近くへと向かっていった。

 

「そんなに座りたいかね」とか

「すいません位言えよ」とか

「だからサラリーマン嫌いだ」とか

サラリーマンのボクは心の中で思いながら見ていた。

 

電車が停車し、座席の奥の人が降りるため席を立つと、そのサラリーマンは周りを押しのけカバンを席に投げる。

 

「すげーなあのオッさん。あーゆーオッさん程タトゥー入ってる奴はどーだとか、ゆとり世代はどーださとり世代はこーだとか言うんやろな。自分を見つめなおせよ」

と心の中で色々思っていた。

 

  この押しのけ座席向かいマンは1人ではなかった。

 

2人目、3人目、4人目と同じようにズカズカと乗客を押しのけ座席の近くに行きなんだか偉そうにしている。

みな1人目と同じようなスーツ、35〜40歳のサラリーマン。

 

その度に押しのけられるゆとり世代や、さとり世代と思われる若者達は「ちょっ、満員やぞ、押すなよイテーよ」という想いをのせて怪訝な顔を浮かべた後、体勢を崩し、周りに「すいません」と会釈している。

 

ボクは普段あまり電車に乗らないので電車ってこんなもんなのか?と思いながらも、段々イライラしてきていた。

 

なんだアイツラ何様だよと。

 

5回目の違和感を感じ、体に押される感覚があった時、車内に

 

「おい」

 

と低い声が響いた。

 

エグザイルと仕事終わりの合コンが好きそうな35〜40歳程度のワックスで髪ツンツン、紺地にストライプ柄スーツのボクより一回り背の高いサラリーマンがこちらを見ながら不機嫌な顔で「はい?」と言っている。

 

横の女子大生風の女の子も少しびっくりしたような顔でこちらを見ている。

 

『あちゃー。これボクが「おい」って言ったのか。やってしまった』という気持ちと、

『任せろ。ボクが代表して言ってやるからな。』という勝手な正義感が瞬時に入り混じる。

 

「はい?じゃなくて。満員で無理やり迷惑やし痛いですよね」

 

「あー」と言いながらめんどくさそうにするエグザリーマン。

 

「あー。じゃなくて。この子の荷物踏んでるし」

 

さっきからずっと気になっていたのだ。誰かが強引に押し入ってくる度、横の女子大生風の女の子の荷物がグチャグチャになる。

その度に女の子は申し訳なさそうに荷物を邪魔にならないように頑張る。

 

「あー。めんどくさ。仕事してきて疲れてるんよ、電車にでかい荷物邪魔ってわかるやろ?」

 

「いやいや。皆んな疲れてるしそりゃ座りたいやろ」と少しイラっとした口調で言ったところでボクは車内の視線がかなり集まっているコトを感じる。

 

ん?俺は何でモメてるんだとフト思うと同時に少しめんどくさくなってしまった。

「あーもういいわ。」とエグザリーマンに告げる。

 

エグザリーマンは不機嫌そうに席近くへと進軍していった。

メンタル強いなあいつ。

 

車内のプレッシャーを感じながらバシッ!とあのエグザリーマン相手に決めるだけのメンタルの強さはボクにはない。

 

女子大生風の女の子は少し悪そうに「何かすいません」と言ってきた。

 

「あーいやいや」とボク。なぜ謝る。変に気を遣わせてしまった。

プチ巻き込んでおいてめんどくさくなって投げちゃったし。

ごめん女子大生風。

 

ボクは何だか気まずくなって次の停車駅で降りた。

 

そこは高槻駅だった。

親が離婚するまで住んでいた街。

 

なんだか妙に虚しい気持ちになりながら、

あんなダサいオッさんになりたくねーなー。

と心の底から思った。

 

あのエグザリーマンはまたどこかの電車で乗客を

無理やり押しのけて偉そうにするんだろう。

 

乗る気になれず快速電車を一本見送る。

 

まぁ俺ももうオッさんか

と思いながら普通電車に乗り家路についた。